同棲する彼女がいきなり実家に帰ったら
彼氏としてビックリしますよね。
ごめんなさい
実家に帰ります
だと…？
しかも、LINEでもなく置手紙とか！
敬語なのも距離を感じるところ。
こうなると、
彼氏が打つ手としては
LINEで謝罪や二人の住まいに
帰ってくるよう打診することですが。
普段から不満を言わない彼女なら
遅きに失すると言えますね。
我慢強い人がキレたら
もはや修復不可能です。
今回のエピソードはまさにそれで
浮気じゃないけど彼女との仲が冷え切り
手遅れになっていたという話。
毎度、ハッピーエンドや再構築ばかりが
同棲じゃないないですからね。
同棲中の彼女が実家に帰ると言い残すまで
真悠希と夏美は27歳同士で
近いうちに結婚を考えていたカップル。
お互いに500万円ずつ貯金した時が
結婚のタイミングと考えていたようですが
彼女の中では別の思惑が広がっていた。
彼女から突然の別れ
雨音が窓を叩く静かな日曜日の朝。
真悠希は目覚めると、
いつもなら隣で寝ている夏美の姿が
ないことに気づく。
夏美？
朝ごはんの準備してるの？
返事はない。
キッチンにも、リビングにも夏美にも
彼女の姿はなく。
代わりに、テーブルの上に一枚のメモが
置かれていた。
しばらく実家に帰ります
連絡はしないでください
真悠希は目を疑う。
昨日まで普通に過ごしていたのに
なぜ突然…？
彼氏の動揺と混乱
真悠希は必死に昨日までの
出来事を思い返した。
まさかこういうことが原因？
真悠希は頭を抱えますが
ここで諦められるわけもなく。
これは最後のトドメに過ぎず
日々の蓄積にあったんだろうな
彼女が実家に帰って必死になる男
必死の連絡
真悠希は夏美の携帯に電話をかけるが
電源を切られているようだ。
「返事がないただの屍のようだ」
のように。
メッセージも送ってみたが
当然未読スルーのまま。
お願いだ！話をさせてくれ
何か怒らせてしまったなら謝るから
戻ってきてくれ
真悠希の必死のメッセージは、
虚空に吸い込まれていくようだった。
待つ日々
一日が過ぎ、一週間が過ぎた。
夏美からの連絡は一切ない。
真悠希は仕事に身が入らず
毎日ぼんやりと過ごしていた。
息子をしごく元気もなくなり
軽いEDも患っているようだ。
真悠希さん、最近元気ないけど大丈夫？
同僚に心配されても
真悠希は苦笑いを浮かべるだけだった。
巨乳上司にでも心配されたら
すこしは元気が出たかもしれないが
野郎比率が異様に高い職場だから
それも叶わず踏んだり蹴ったり。
哀れ！真悠希…
実家への訪問
二週間が経ち
真悠希は意を決して夏美の実家を訪問する。
玄関のチャイムを鳴らすと
夏美の母親が出てきた。
申し訳ありませんが
夏美はあなたに会いたくないそうです
冷たい言葉に、真悠希は言葉を失う。
娘よりも私の相手をしてくれない…？
なんて、展開はないもんな…
どうか夏美に会わせてください
話をさせてください
真悠希は頭を下げて懇願したが
母親は首を横に振るだけだった。
もう帰ってください
これ以上ここに来ないでください
（私のタイプの男じゃないし）
別れるのは既定路線…彼女が実家に帰ったら無理
絶望の淵
実家から追い返された真悠希は
公園のベンチに座り込んだ。
頭の中は真っ白で、何も考えられない。
周りを歩くカップルたちの笑い声が、
妙に耳につく。
俺たちもこんな風に
笑っていたはずなのに…
真悠希は空を見上げた。
グレーの雲が垂れ込め
今にも雨が降りだしそうだった。
悔恨の日々
それから一ヶ月が過ぎた。
真悠希の生活は荒れ始めていた。
毎日定時に帰ったり
時には無断欠勤もしたりし夜は酒びたりの日々。
かつて二人で買い物をしていた
スーパーに行くのも辛い。
友人たちは心配して声をかけてくれるが
真悠希は皆を遠ざけていた。
最後のメッセージ
ある日、真悠希のスマホに
夏美からのメッセージが届いた。
手が震える。（アル中ではない）
開くのが怖い。
でも、開かないわけにはいかない。
突然いなくなってごめんね。
でも、もう戻れないから。
私たちはこれで終わり。
元気でね…？
真悠希は携帯を投げ出した。
なんでだよ…！！
叫び声が静かなアパートに響き渡る。
彼女が実家に帰った原因と彼のこれから
現実直視の瞬間
翌日、真悠希は会社を休んだ。
一日中ベッドで寝ていたが
夕方になってようやく起き上がる。
鏡を見ると、髭面の憔悴した自分がいた。
真悠希は深呼吸して
初めて冷静に過去を振り返った。
自分の仕事への没頭、
夏美への無関心
些細な約束も守れなかった日々。
全て、自分の責任だったことに気づく。
俺は口だけ野郎だったな…
その認識が、痛いほど胸に突き刺さった。
新たな決意
真悠希は久しぶりに掃除を始めた。
部屋の隅々まで掃除機をかけ
洗濯物を片付け、キッチンも磨いた。
そして、夏美との思い出の品々を
一つずつ箱に詰めていく。
写真を見るたびに胸が痛むが
もう逃げるわけにはいかない。
夏美…
本当にごめん
真悠希は小さくつぶやきながら
一つ一つの思い出と向き合った。
再出発への一歩
翌日、真悠希は髭を剃り
スーツをきちんと着た。
会社に行くと、上司に土下座して謝罪した。
申し訳ありません
退職させていただきます
上司は動揺したが
小さく頷いてくれた。
成長の兆し
それから半年が過ぎた。
真悠希は転職先の仕事にも慣れて
少しずつだが成長を感じている。
休日には、かつては興味のなかった
ボランティア活動に参加するようになった。
人のために何かをすることで
少しずつ自分を取り戻していく。
友人たちとの関係も
徐々に修復されていった。
彼女と完全な決別
偶然の再会
ある日、真悠希は最寄り駅近くで
夏美とばったり出会った。
二人とも言葉を失う。
夏美は少し痩せた様子で
髪型も変わっていた。
真悠希は複雑な気持ちを抑えながら
静かに話しかける。
元気…だった？
うん…真悠希は？
二人は近くのカフェで短い会話をした。
もしここで仲直りしたら
ワンチャン、セフレとしてアリかも…
などという、下卑た考えを悟られないよう
お互いの近況を語り合う中で
真悠希は自分の過ちを実感はしていた。
本当にごめん…
いろんな約束を守らなかったこと
仕事に没頭し過ぎたこと
夏美を寂しくさせてしまったのは
彼氏として失格だった
私ももっと話し合うべきだった
衝突が怖くて話し合いは避けてきたし…
ただ、二人ともわかっていた。
もう戻る空気ではないと。
郵送されてきた指輪
偶然の再会後、
彼女から郵送物が届いて中を開くと…
彼女に買った指輪とネックレスが
綺麗に梱包されていた。
添え書きの手紙には
「今までありがとう」の一言のみ。
真悠希はしばらくむせび泣き、
ひとしきり泣き終わった後
一人で頑張っていく決意を固める。
最後に
真悠希は仕事にかこつけて
言ったことを守らないことが
よくありました。
彼女からしたら、
「お前との生活のために」と
彼氏がどんなに言ったとしても…
一緒に住んでいるはずなのに
言いようのない寂しさに襲われてしまうものです。
一方、彼女も彼女で
まず不満点を彼氏に伝えずに
実家に帰った点はいただけないですね。
男は言われないとわからない生き物。
彼女はこの点を認識していないと
また不満が溜まるたびに実家に帰って
別れを繰り返すつもりなんだろうかと。
ともあれ、今回は趣向を変えて
小説形式でお届けしましたが
こういうケースは意外とあるんですよね。
あなたも彼女にした約束が
ちゃんと守れているかどうか。
そして、彼女は不満を抱え込んで
後で爆発しないタイプかどうか。
この点を確認されることを推奨します。
